
こちらは4年前に僕が独立した時に書いた記事になります。現在は売上も伸び、ありがたい事に充実した日々を過ごさせてもらっています。そして軌道に乗せるまでに行った細かい事はトップページにまとめていますので、あわせて参考にしてください。
こんにちは。三重県でフリーランスの訪問美容師として活動する大脇です。
今日は訪問美容師として独立(開業)して活動していきたい美容師さんに対しての記事を書いていきます。
お店としてや、個人の美容師としてこれから訪問美容をはじめていきたいけどなんとなく一歩がでない方、またどんな準備をしてはじめていくのか知りたい方の参考に少しでもなれれば嬉しく思います。
また「サロンワークとは別に個人として訪問美容をやってみようかな・・・」とお考えの方にも是非読んで頂ければと思います。
実際僕自身が現役の美容師としてサロンワークをしながら、平行して訪問美容の勉強をしていき、今では訪問美容をメインに活動しています。


その自分自身の経験もふまえ
- はじめにやっておきたい事
- やらなければいけない事
- かかった初期費用、固定費
- 実際に自分が開業して感じた事
などを書いていきます。
まず僕自身の紹介を少しだけ説明させて頂きます。
埼玉で美容師をサロンワークで10年勤務。スタイリストとして活動する傍ら、訪問美容に興味をもちいろいろ勉強する事に。
30歳の時に妻の地元である三重県に拠点を移し、「訪問美容サロンRingo」をオープンさせる。訪問美容の活動をメインで行いながらも、定期的に埼玉にも帰りサロンワークを続けている。
ざっと説明するとこんな感じです。
ではこれからそんな現役美容師が、訪問美容を行うお店として独立(開業)するために行った5つの点に焦点をしぼり話していきます。
福祉理美容師の講習会や、介護資格の取得


まずはじめに伝えておきますが、訪問美容の活動は美容師免許があれば誰でも行う事ができます。
介護資格や福祉理美容師といった資格がないと訪問美容を行う事はできないと思っている方が多いですがそんな事はありません。
ただしっかり対象者など美容師法で決められている内容を勉強する必要があります。



高齢の方や病気をお持ちの方・その他なにかしらの理由があり美容室へ行くことが難しい方へ行う事ができるサービスですので、まずはその対象者をしっかりと理解しましょう。


今では福祉理美容師(名称はその団体で様々)の認定資格をもらえるための講習会をいろいろな団体が開催されています。
まずはご自身が住んでいる地域から行きやすい場所で開催されていないか調べてみて、もし開催されていれば参加してみるといろいろな情報が手に入り、イメージがかなりわいてくるかもしれません。
僕自身もサロンの休日を使い、2日間の講習会に参加しました。
実際にベッドへの移乗の仕方・吸水パッドを使用したシャンプー方法・実際普段から訪問美容を行っている美容師さんの話を聞いたり、自分からも疑問に思っている事をたくさん聞く事ができました。
講習会に参加してくる美容師さんの大半が、まったく福祉や介護の知識はないけど訪問美容に少し興味があって・・・という方ばっかりですので、まずは一歩踏み出す上でも講習会に参加してみてはいかがでしょうか。



介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)の取得
こちらも先ほどと同様、資格がなくても訪問美容の活動を行う事はできます。
僕自身、今後長く活動していく気持ちでしたので、正しい介護知識を身につけておく必要がある事を感じていました。
独学で勉強する事ももちろん可能ですが、資格をもっている事でお客様や施設職員の方から安心して頂けるメリットの方が大きいです。
お客様目線で考えた時に、ちゃんと介護資格をもっている美容師さんの方が施術中の不安を少しでも和らげられるのでは?と思いました。


こちらは約1日の講義を15日間くらい受講し、最後に試験があり合格すると修了書が自宅に届きます。
(夜間や週1から通えるコースもあります)
ずっと美容師を続けてきた僕からすると、スクーリングするのがすごい新鮮で新しい事を勉強していくワクワク感があった事を今でも覚えています。



ただスクールによって受講費がバラバラです(汗)受講費が高いところは10万以上したり安いところは5万以下だったり。。
違いは僕もそんなにはっきりは分かりませんが、僕は受講費が高いからいいとか安いから良くないとかそんな事はないと思います。
あくまで美容師として介護資格を取得するのが目的ですので、どれだけ自分自身が勉強していくかが大事だと思います。
ちなみに高いからうかりやすいとか安いから落ちやすいとかもありません。(普通に受講すれば、最後の試験は確実に合格できますよ!)
【訪問美容師】介護の資格は必要?決まりはないけどあった方が現場で役立つという話
保健所や税務署への申請


まず訪問美容の活動を行うには、その訪問先の各市町村ごとの保健所に申請しなければいけません。
決まりも各市町村ごとに違ってきますので、この市にはできてもここの市にはできない内容がもしかしたらあるかもしれません。
また届け出も各市町村ごとによってやり方が違ってきます。
僕の場合は、ある市は出張する際の消毒器具(エタノールや紫外線消毒等)を写真で提出してくださいという市もあれば、消毒器具を確認するので一式保健所に持って来てくださいと言われた市もありました。
しっかり各市町村ごとの決まりを届け出を行う際に確認しましょう。



税務署へは個人事業主としての開業届けや青色申請をするための申請を行います。
なにやら難しいと思われる方も多いと思いますが、けっこうびっくりするくらい簡単です。僕もこんなものなのか?って思ったくらいです(笑)
実は僕自身は埼玉で美容師をしていたころから個人事業主の開業届をして登録をしていました。(お店が業務委託契約だったため)
今回三重に来て訪問美容の活動をしていくためにひとつのお店として登録しなきゃと思ったのですが、、
税務署へ行き確認した所、もともと個人で開業届をしてあったので住所変更だけで大丈夫ですの事。
意外にそんなもんなんですね(笑)
経理や確定申告はクラウドサービスのfreee(フリー)がおすすめ!
青色申請は確定申告で節税する上でとても大切になります。
難しい事は書きませんが、訪問美容で一定の売り上げが発生した場合確定申告が必要になります。
確定申告をする際、青色申告をするための複式簿記からでた損益計算書を提出すると次年度にかかる税金を安くする事ができます。
青色申告と白色申告というものがあるのですが、白は割と簡単ですが青色の方が65万の控除などメリットはかなりでかいです。 複式簿記の知識がなくても青色ではじめ申請しておけば、白でも青でもどちらでも申告できますのでまず青色の申請をしておきましょう。



ちなみに僕も使用している超かんたんクラウド会計サービスのfree。
スマホで全て経理を管理できますし、銀行カードやクレジットカードと自動同期でき、かなり楽なのでおすすめです。


追記 2019/2/19 去年freeeに切り替えたんですが、過去数年苦戦していた青色がわずか3分で終了しました!
【フリーランス美容師の確定申告】青色申告がわずか3分で終わった話
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詳しくは下記の記事でも解説しています⇩
【free】個人事業主の確定申告や経理を100倍楽にする会計ソフトを導入
訪問美容で使用する移動式シャンプー台の購入


移動式シャンプー台ははじめから購入する気でいました。
僕自身訪問美容を活動していく上で、カラーやパーマといったメニューを強化していきたい思いがありました。
福祉美容の講習会とかでは身の回りにあるものを使い、家のお風呂や洗面台を借りてシャンプーする話を聞きました。
実際いかに訪問先に荷物を少なくまとめていくのかもかなり重要になります。
それもその通りなのですが、今では訪問美容のサービスを利用できる範囲も広がっており、高齢の方以外にも妊婦さんや育児中のお母さんに対して出張する事もあります。
普段の美容院の雰囲気を壊さず、満足してもらえるサービスを提供していきたい思いがありましたので、僕は移動式シャンプー台を購入する事に。


こちらは折りたたむこともできるので、車で運ぶ時はコンパクトにしまいます。
また移動する時はキャスターもついているので転がしながら移動する事もできます。



シャンプー台については下記の記事で詳しく解説しています。
【訪問美容で使う移動式シャンプー台】4つの方法とやり方を紹介
上記のシャンプー台といすをセットで10万弱で購入しましたが、訪問美容を初めていくうえで購入した高いアイテムはこちらくらいです。
追記 画期的な新しい洗髪器「ルームシャンプー」を新たに購入しました!


なんと服を着たままでも洗えるという驚きのアイテム。今後大活躍しそうな予感です!詳しくは下記の記事にまとめてあります。
【ルームシャンプー】服着たまま洗髪?!これからの訪問美容で大活躍の予感が・・!
ホームページや名刺・チラシの制作
保健所や税務署への申請が終わりましたら、いよいよ自分自身がはじめていく訪問美容の活動を宣伝していくための準備を行いました。
まず最低限必要だと思ったのがチラシと名刺です。
どこにいてもさっと出せる名刺や、簡単に説明しながら配れるチラシをつくりました。
チラシは大量に配れるチラシや、施設などに置いてもらえるかもしれない3つ折りのパンフレットを作成。






チラシ・パンフレット・名刺ともに自分で作成したのですが、外注するとおそろしく高いです。。



正直外注した方が楽ですが、デザイン修正を頼むんだったら自分で行いたい気持ちと、コストをなるべく抑えたい気持ちもありましたので自分で作成しました!
ちなみに美容室のチラシやパンフレット・ショップカード・美容師個人の名刺を安くつくるならネット印刷会社ラクスルがおすすめ。
僕自身もこちらで全て作成しました。コスパ・仕上がり共に大満足です!
詳しくは下記の記事でも紹介しています。
美容室のチラシ・パンフレットを激安のネット会社ラクスルで作成してみての感想
美容師の個人名刺を激安のネット印刷・ラクスルでつくってみた。
また訪問美容の活動を告知していく為のホームページを作成しました。
僕の場合は訪問美容サロンRingoというお店としてのホームページです。


チラシ等を使った宣伝活動も重要ですが、インターネットが普及している中、お店としてのwebサイトを持つのが必須な時代になってきています。
特にインターネット上では、自分が動かなくても勝手に宣伝してもらう事ができます。
また名刺やチラシから興味を持って頂いた方がホームページを見てくれると、より興味を持ってもらえる可能性が高いです。
時間がない時であれば、



と伝える事もできます。
ホームページではなくてもブログサービスを使って自分の活動している内容を更新していけば、いずれその記事を見た方からお問い合わせを頂ける可能性があります。
ホームページも美容室を出す時に外注すると何十万もするイメージがありますが、自分でホームページを簡単に作成できるサービスもかなり増えてきました。
僕自身、パソコン系の仕事やホームページ作成が好きなので自分でつくってしまいますが、下記の記事にて自分で簡単にできるホームページ作成の方法を紹介していますので気になる方は見てみてください。
【美容室ホームページづくり】ワードプレスとwixを比較してみる
宣伝・営業活動


チラシやパンフレットができましたらいよいよ宣伝の開始です。
ここまでは意外と順調だったのですが、、ここの営業活動が非常に難しいです。(今でも難しいです苦笑)
自分自身営業されることがとても苦手です(笑)忙しいサロンワーク中に電話に出た相手が営業電話でいらっとした記憶は何度ある事か(笑)
そこでまずは介護事業所へ行き、簡単な自己紹介やチラシやパンフレットを渡す事からはじめました。



ちなみに電話での営業は確実にほぼ断られます。それだったら直接訪問して挨拶をしに伺います。わりと顔と顔をあわせると話を聞いてくれますよ^^
僕自身、地域にある包括支援センターや市役所にある高齢福祉課へ行ったりもしました。
その地域によって出張費を市が負担してくれるサービスももしかしたらありますので、そこと提携するための申請も行いました。



訪問美容では周りにある美容室のようにホットペッパーに掲載とかそのような宣伝はありませんので、地道に自分から足をいろいろなところに運び告知していく根気強さが必要であると感じました。
ホームページやブログからの宣伝


あとはブログやホームページの更新を定期的に行う事。
自分たちのやっている活動をたくさん記事をためていくことにより、訪問美容に関するキーワード(出張 カット 等)が強いサイトになりweb上での検索結果に強いサイトに育てていく事ができます。
いくらブログやホームページを更新しても誰からも見られていないと宣伝にはなりません。
あるキーワードでの検索結果で1Pの上位に表示させる事をSEOといいますが、僕自身いろいろなキーワードで検索から引っかかるように常に新しい記事を更新しています。
具体的に行った集客方法は下記の記事でも解説しています。
営業や広告費0!訪問美容の集客はブログのみという驚くべき方法とは?



もし今後ブログやホームページを使って集客にも結びつけられるようなサイトに育てていきたい方はワードプレスで作成する事をおすすめします。
グーグルマップへの登録


またグーグルマップに訪問美容サロンとして登録する事も行いました。
訪問美容なので出張がメインになります。決まった場所にお店があるわけではないのですが、僕の場合お店の事業所として自宅の住所を登録しています。
その事業所(自宅)を訪問美容を行っているお店としてグーグルマップに登録する事により、グーグル検索に引っかかりやすくもなるのでおすすめです。
登録はいたって簡単です!訪問美容サロンとしてグーグルマップに登録した経緯ややり方は下記の記事でまとめています。
開業するにあたりかかった初期費用や固定費


かかった初期費用としましては、実際に美容室をオープンさせる費用に比べるに値しないくらいコストをおさえられます。
そもそも美容室をオープンさせるときは、内装・外装・水回りの工事・機材や材料代・運転資金・家賃等たくさんの初期費用にかかる資金が必要になりざっと安くても1000万と言われています。
訪問美容を行う上で内装や外装・家賃等は発せしませんので比べるのがおかしいのかもしれませんね。
で、実際に僕自身がかかった初期費用をざっと書いていきます。
・登録や届け出は費用は一切なし
・チラシやパンフレット代(1万5000円くらい)
・名刺・・・100枚で1000円くらい
・ホームページ・・・サーバーはもともと個人で契約しているのあるため基本なし(サイトのテーマだけ1万程で購入)
・移動式シャンプー台&椅子・・・10万弱
・材料費・・・タオルやカラー剤やパーマ剤を必要最低限購入(約2万)
ざっとここに出たので15万くらいでしょうか。
他にもこんなのがあったらいいなと思ったらちょくちょく買ったりもしています。
けっこう100均やホームセンターにも行くとアイデアが出て来たりもします(笑)
なにが正解とはありませんので、今でも試行錯誤を繰り返しています。
また固定費としても家賃や光熱費はかかりません。(ガソリン代はかかります)
固定費がかからないので、少しの売り上げでも利益を出す事が可能になります。



いきなりはじめから何十万という利益を出す事は正直難しいですが、地道にこつこつお客様も増えていけば十分な売り上げや利益を出す事もできるようになるはず。
今後美容師の独立でも、店舗をかまえずコストをおさえながら独立する形が増えてくるかもしれませんね。
なお開業時にかかるコストや必要なものは下記の記事で詳しく解説していますのでよかったらご覧ください。
訪問美容師の開業資金はどれくらい?必要なものをリストアップしてみた
今後の目標 〜オンリーワンの美容師になるために〜


僕自身訪問美容をメインで活動をはじめてまだ数年しかたっていませんが、ひとりの美容師として必要だと思って頂ける存在になれるよう活動しています。
美容師以上に人として必要な人間になっていきたいと思っています。
今では訪問美容を行うお店も増えてきており、高齢化社会が進んでいく日本ではますます需要が増えてきますので、今後もさらにお店が増えていくかと思われます。
街中では美容室があふれかえっており、独自のサービス展開やそこのお店を選ぶ付加価値がないとお客様はかんたんに別のサロンへ流れてしまいます。


訪問美容でも同じだと思います。
お店独自のオリジナルな絶対的なつよみを展開していく必要があります。
カットが全体の8割くらいをしめるといわれている訪問美容ですので、出張カットしか行っていないお店も多くあります。
お客様の中には、カットしかできないと思っている方も多く、カラーやパーマもご希望の場所で行う事ができると言うとびっくりされる方もいらっしゃいます。


おしゃれにする楽しさをあきらめてしまっている方もたくさんいらっしゃいますので、いろいろな付加価値を加えたサービスを今後も考えていきたいですね。
僕自身は、妻が出張助産師として活動しているのでそこと連携し、育児中のお母さんにたいして「育児の悩みを助産師に相談しながらうけられる出張美容サービス」をつくってみました。
これぞ次世代型の訪問美容*育児ママへ行う訪問美容の実例を紹介
実際に小さなお子さんがいらっしゃると美容院へいく事が難しい・・・というお声をたくさん聞いてきましたので、そんなお母さんの為の出張美容サービスにも力をいれています。
また助産師さんは看護師さんでもあるので、様々な方達にサービスを提供する為にいろいろと協力しながら行っています。
今後も必要とされる美容師になれるよういろいろなことにチャレンジしながら活動していきたいと思っています。


いかがでしたか?
現役美容師が、訪問美容を行うお店として独立(開業)するために行った5つの点をざっと話すつもりがかなり長くなってしまいました。(最後まで読んで頂いた方ありがとうございました)
まず大事なのは一歩踏み出す事!



一歩踏み出してみると不思議なようにとんとんと道が開いていく気がしますよ!
その他軌道に乗せるまでに行った細かい事はトップページにまとめていますので、あわせて参考にしてください。
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