フリーの訪問美容師として活動している大脇です。
今日は訪問美容をはじめるにあたり料金設定はどうすればいいのか、僕自身の経験をもとに料金の決め方に関する僕の考えを書いていきたいと思います。
まずはじめに僕から伝えたい事は4つ。
- 料金は思っているより高めでOK(安売りは絶対におすすめしない)
- 自分が希望する月の労働日数、収入から逆算して料金を決めていく
- 1日の訪問件数が2件でも採算がとれるような料金設定にする
- 地域の競合店の料金は参考程度にしておく
今日は上記4つを深掘りし解説していきます。
料金は思っているより高めでOK(安売りは絶対におすすめしない)
これはまずはじめに伝えておきたい事ですが、料金の安売りは絶対におすすめしません。
下記が安売りをおすすめしない理由です。
- 訪問美容というサービスは自分たちが思っている以上に需要が高い
- 少し高めでもお客様は価値あるサービスとして利用してくださる
僕は訪問美容の活動をはじめて3年が経過しましたが、上記の2点を強く感じています。
そして活動期間が長くなればなるほど、より強く「訪問美容の価値」を感じるように。
美容室と一緒で安く料金を設定した方が集客しやすいという考えもありますが、それは正しくもあり間違いでもあると僕は思います。
それも先ほどのべた2点が理由です。
料金を安く設定すれば、訪問美容の活動をして行く上で、後に自分の首をしめる事になる可能性が高いです。
これは最後の項目でも解説しますが、1日の訪問件数を2件くらいでも採算がとれるような料金設定にした方がいいからです。
また訪問美容の需要は僕たちが思っている以上に高く、そしてお客様から見ても、お金を払ってでも利用したい価値のあるサービスです。
よくこんな言葉をお客様から言われます。
こんなに安くてもいいの?
もっと金額とってもいいんじゃない?
こんなに助かる事はないわ
僕は地域にある美容院と同じくらいの価格設定にしてあったので、お客様から高いと思われないか心配でした。
しかし逆にたくさんのお客様がそれでも安いと言ってくださるんです。
自分たちが思っている以上に訪問美容というサービスを必要としてくれるお客様は多く、そして価値のあるサービスなのです。
それでは安売りはおすすめできないとして、そこからどんな感じで料金を決めていけばいいか解説していきます。
自分が希望する月の労働日数、収入から逆算して料金を決めていく
料金を決める前に、下記についてしっかり決めておきましょう。
- 月にどれくらい働きたいか
- 月にどれくらいの収入がほしいか
ここは料金を決める上でとても大事な項目です。
むしろこの2点を軸に考えなければ、後々詰まる事になるでしょう。
例えば僕の例でいうと
週4日勤務で月に50万くらいの利益を安定して出したい
という数字を決め、そこから逆算し決めていきました。
なので上記を例に逆算していくと・・
週4日勤務 = 月18日出勤
50万 ÷ 18日 = 27,777円 / 1日利益
となります。
逆算すると、1日にどれくらいの利益をだせれば自分のイメージする収入ラインに到達できるか分かります。
1日の訪問件数が2件でも採算がとれるような料金設定にする
3つめを深掘りする前に、僕自身の経験をもとに、料金を決める上で参考にしたいこんなデータがあります。
それがこちら。
訪問美容では朝一に一番依頼が多く、次に昼一、夕方以降の依頼はほとんどない。
訪問美容師として3年ほど活動していますが、圧倒的に朝の依頼が多いです。
時間でいうと朝は9時の予約が最も多く、その次に多いのが10時。
また昼は12時に依頼する方は少なく、13時か14時を希望される方が多いです。
12時の依頼が少ないのはお昼ごはんなどの時間だからですね。
お昼を食べ終わって少しゆっくりした13時以降にお願いしたいという感じです。
そして夕方以降の依頼はほとんどありません。
僕も夕方の依頼は月に1回あるかないかくらい。
つまりこれがどういう事かというと
- 朝一と昼一の予約を希望される方が多い
- 夕方以降の予約は入らないものとして考える
- つまり1日2〜3件、できれば1日2件ペースでも採算がとれる料金設定にしておく
夕方以降の予約は入らないものとして考え、かつ依頼が多い朝一と昼一の予約でも採算がとれるくらいの料金設定にしておくのがベストだと僕は思います。
余談ですが僕は下記のようなケースがあります。
朝9時からカットカラーの予約があり、午後は14時からカットカラーの予約が入っていたとします。
そこにカットだけ希望される方がいらっしゃり、個人的には12時半頃でしたら伺えるんですが・・と言うも、ほぼ「では別の日で」となります。
美容室のように詰めて詰めて・・といきたいところですが、訪問する上でお客様にも都合のいい時間帯がある事を理解しなければなりません。
また訪問美容では移動時間も必ず考慮しなければなりませんので、なおさら少ない件数でも目標の売り上げをあげられる料金設定にしておく必要があります。
個人的には先ほども解説した通り、1日2件の訪問でも採算がとれる料金設定にしておく事を強くおすすめします。
1日2件の訪問でも採算がとれるようにするには
では1日2件の訪問でも採算がとれるようにするにはどうすればいいのか、それは1件あたりの単価をあげる事に尽きます。
そして1件あたりの単価をあげるにはどうすればいいのか、僕の経験をもとに単価アップさせる3つの方法を紹介します。
- 1件の訪問で複数の方を施術する
- 施設で団体様のカットをする
- メニュー料金の見直し
1件あたりの訪問で複数の方を担当する
訪問美容は出張するサービスですので移動時間が必ず発生します。
もちろん移動時間は売り上げがないので、そこを「出張費」という形で金額を頂くケースがほとんどかと思われます。
しかしたくさんのお家をまわり移動時間が多くなればなるほど、売り上げのない時間が増える結果となってしまいます。
そうならないためにも、1件の訪問で複数の方を施術できると生産性の高い仕事をする事ができます。
厚労省の規制の緩和により、数年前から介護中のご家族様も訪問美容の対象となりました。
ご依頼者様の他に、一緒にお住いのご家族様のカットやカラーをする事ができれば1件あたりの単価を上げる事ができます。
そのためにも「一緒にどうですか?」と宣伝してみたり、複数の方の依頼でちょっとした割引やサービスを加えると、お客様側から見てもメリットが増えるかもしれません。
現に僕自身も、半分以上の方が1回の訪問で複数名を依頼してくださっています。
施設で団体様のカットをする
施設様からのご依頼では複数名のカットやカラーをする機会が多くなります。
午前中に一人で10名以上カットする場合もあります。
仮にカット料金を2500円とすれば10名様で¥25,000を午前中の売り上げする事もできます。(経費はガソリン代のみなのでほぼ利益にする事ができる)
個人で訪問美容の活動をする場合は在宅メインになるケースが多いと思われますが、団体で依頼を頂ける施設様への訪問も単価アップさせる一つの方法です。
メニュー料金の見直し
最後に基本的なメニュー料金の見直しです。
料金はころころ変えられるものではないので、はじめの料金設定がベースとなります。
決めた料金で自分が理想とする売り上げを達成できるか逆算し、あとあと後悔しない料金設定にしておきましょう。
地域の競合店の料金は参考程度にしておく
最後に地域の競合店の料金は参考程度にしておく事をおすすめします。
どの方もまずは
訪問美容してるお店っていくらくらいでやってるんだろう・・
とリサーチするところから始める方が多いかと。
日本全国、そして近くの地域の相場を基本にし、
じゃあうちもこれくらいの料金でいっか・・
と安易に決めてしまうケースも。
しかし個人的には競合店の料金はあくまで参考程度にしておく事をおすすめします。
なぜならお店によってはスタッフの規模も違いますし、サービス内容も違います。
スタッフが多いお店は一度の訪問でたくさんの方を施術でき、生産性の高い仕事をする事ができますが、個人ですと一度に担当できる数には限界があります。
また訪問美容といったサービスは一緒でも、サービス内容はお店によって全く違います。
他店に負けないような「自分のつよみ」があればあるほどサービス価値をあげる事ができます。
自分が提供するサービスの価値を高め、それに見合った料金を決めていく事が大事だと僕は思っています。
補足:僕の料金設定と収入の目安
参考までに僕の料金設定を紹介したいと思います。
まずは先ほども書いた通り、理想とする労働日数と収入を下記のラインに設定しました。
労働日数・・週4日
収入・・月50万くらい
1日の売り上げ・・¥27,777
またメニュー料金は下記の通りです。(出張費込み)
在宅 | 施設 | |
カット | ¥6,000 | ¥3,000 |
カット(シャンプー込み) | ¥7,500 | ¥4,000 |
カットカラー | ¥12,000〜¥13,000前後 | ¥8,500〜 |
カットパーマ | ¥12,000〜¥13,000前後 | ¥8,500〜 |
縮毛矯正 | ¥20,000 〜 | ー |
デザインカラー | +¥3,000〜 |
カラーやパーマで金額が変動するのは長さや使用する薬剤、ロッドの本数で変わってくるためです。
1日の訪問件数は2件ペースでいくのが理想
1日の訪問はなるべく2件、多い時で3件にしながら最近は活動しております。
朝一と昼一の予約で終わりにし、15時以降には帰宅できるようスケジュールを組んでます。
月間利益(訪問美容のみ)
訪問美容での月間利益は50万前後で最近は安定しております。
最近は予約がありがたい事にだいぶ増えてきており、当初描いていた週4日勤務はオーバーしてしまっております。(今後スタッフ増員を検討中・・)
その他売り上げ ※副業
夕方以降に帰宅するようにしてるのは、訪問美容以外の副業にも力を入れているからです。
副業としてはブログを書いたりメディア運営の広告収入、ホームページ作成、有料note販売などがあります。
サロンワーク時代は帰りが23時とかで副業をする時間がありませんでしたが、、
訪問美容の活動をするようになってからは自分の時間を確保できるようになり、副業に力を入れる事もできています。
副業についてはそれぞれで考えは変わってくると思いますが、個人的には美容師は絶対副業をするべきだと思っています。
なぜなら何か怪我や病気で働けなくなった時の保証にもなりますし、美容師として培ってきた知識や経験は他の方に提供できる貴重なコンテンツにもなるからです。
訪問美容以外の美容師としての売り上げ(副業)は、月に50万前後安定して稼ぐ事ができています。
最後に一言。他店に負けないようなつよみをつくり、価値のあるサービスとして料金を決めていこう
料金を安売りしすぎるのはおすすめしないと書きましたが、サービスの質も低いのに料金をあげると確実に失敗します。
しかし他店に負けないようなつよみやブランディングができれば、たとえ地域で一番高い料金設定でもお客様は確実に依頼してくださります。
訪問美容は僕たちが思っている以上に価値のあるサービスです。
一度決めた料金はなかなか変えることはできませんので、料金を決めるさいは慎重に、そしてもっと自信を持って決めていく事をおすすめします。
今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
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